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◆動物虐待犯説
そんな中…ある動物病院で重要な証言が浮かび上がりました。
院長によると、釘を目に刺されていたり、皮膚を鋭利なもので切られた痕のある猫が病院に来たそうです。
院長が治療した猫は3匹。
いずれも宮澤家から徒歩10分以内で事件4か月前から相次いでいたといいます。
「その他の年は年に1回も虐待事件がないのが普通」と院長は言っていました。
しかし、なぜ捜査本部がこの動物虐待を重要視したのでしょうか?
それは世田谷事件の3年前に起きた”神戸連続児童殺傷事件”があったからだったのです。
あの事件もまた少年A逮捕のきっかけは”動物虐待”を繰り返す少年がいるという情報でした。
元捜査幹部によると「猟奇殺人には動物虐待という前兆がある」そうです。
そんな中、捜査線上に浮上したのが”猫に虐待を繰り返す男”でした。
自宅は宮澤家からほど近い場所。
マタタビで猫をおびき寄せてはボーガンで次々と撃ち殺していたといいます。
事件発生からおよそひと月。
捜査員は動物愛護管理法違反の容疑で男の家に踏み込みました。
しかし、男の手には傷がありませんでした。
こうしてまた、一つの線が消えました。
◆スケートボーダー説
事件から5年、捜査は大きく動き出しました。
当時、外部の研究機関に遺留品の分析を依頼し、大きな成果が出始めました。
そこで浮上した新事実。
先ほど韓国人犯人説で出てきたヒップバッグから粉末状の物質がみつかり、その成分を調べた結果デッキテープに使われる成分と同じものと判明したのです。
デッキテープ、それはスケートボードに使われる滑り止めのこと。
その成分が遺留品のヒップバッグに残っていたのです。
そこで新たに犯人”スケートボーダー説”が浮上しました。
そして、この事実以外にもそう考える根拠はありました。
犯人が刃物の柄をくるんでいたと思われる”黒いハンカチ”。
そこから当時スケーターに流行していた香水”ドラッカーノワール”が検出されたのです。
さらに、宮澤さん宅のすぐ脇にはスケートボードができる公園があり多くのスケーターが集まっていました。
そして今回元捜査幹部はそんなスケーターと世田谷一家殺害事件を結ぶある新事実を明かしました!!
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その一つがみきおさんとスケーターたちのトラブル。
深夜まで公園で騒ぐスケーターにみきおさんは日々悩まされていたといいます。
直接公演事務所へ苦情を言いに行っていたことも捜査では判明しています。
その後、あるルールができました。
午後9時以降スケートボード禁止。
この措置を逆恨みした若者とトラブルになっていた可能性があったそうです。
さらに、スケーターがみきおさんの娘にいなちゃんとぶつかりそうになった風景を目撃した主婦もいました。
さらに決定的だったのは事件当日の夜もバイト帰りの女子大生が公園にたむろする若者の姿を目撃していたこと。
時刻は午後11時20分。
まさにあの惨劇があったと推定される時間帯。
重なる犯行時刻。捜査本部は関東近郊に位置するスケーターたちの溜まり場を徹底的に捜査。
しかし、事件と関係があるスケーターには今もたどりつけていません。
◆ハーフの男説
数々の容疑者が消えてなお、元捜査幹部がこだわる犯人像があるそうです。
それはくしくも、みきおさんの母が出した結論と同じ”顔見知り”。
理由はこうです。
一つ目は母と娘をただ殺すだけでなく執拗に切りつけていること。
このような場合強い個人的な恨みが動機であることが多いといいます。
二つ目は2人の遺体を布で覆っていたこと。
これもまた顔見知りによる犯行現場でよくみられる傾向だといいます。
三つ目は犯行後も家に居座り止血までしていた犯人の冷静さ。
それは男が宮澤家の家族構成を熟知し、もう誰も帰宅しないことを知っていたからではないのか?
そしてその人物像にピタリと当てはまる重要参考人にいきあたりました。
その男はにいなちゃんがバレエやピアノ・塾に通っていた様々な場所の一つに関係者として出入りしていたのです。
しかも少女への行き過ぎたスキンシップが周囲で取り沙汰されていたといいます。
その男は犯人の背格好に当てはまっていました。
さらに、捜査員を色めき立たせる情報が入りました。
進歩したDNA鑑定により犯人の血液型から、母親が地中海生まれ、父親が日本人生まれの遺伝子的特徴がみつかったのです。
つまり、犯人はハーフの男である可能性が高まったのです。
そしてこの男こそがまさしく、母が地中海生まれ。父が日本人だったのです。
捜査本部は任意でこの男を事情聴取。
男の血液は様々な照合が行われた結果、事件とは無関係。
そしてまたしても犯人さがしは振り出しに戻ってしまいました。
元捜査幹部は「私は今も顔見知りの犯行と考えている。それを突き止められなかったのが一番の心残りだ」と語っていました。
そして現在も事件に関する新たな情報を公開し、手掛かりを求め続けています。
いったいどこの誰がなんの目的で。真相は深まるばかりです。
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